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比較を手放し、私だけの輝きを

SNSを開けば、誰もが輝いて見え、つい自分と比べてしまう。その度に、心がざわつき、自信を失うことはありませんか。今日は、人との比較という「心の病」を手放し、あなた本来の輝きを見つけるためのヒントを、共に探っていきましょう。

比較がもたらす心の曇り

「あの人は成功しているのに、なぜ私は」「あの人の方が魅力的だ」と、私たちは日常的に他人と自分を比較してしまいます。この比較の心は、時に「羨み」から「恨み」へと変わり、やがては自分自身を苦しめる大きな原因となります。それは、仏教で説かれる「無知」という心の迷いの一つであり、物事の真実を正しく見極められないことから生じます。この心の状態では、自分の良い部分や、他人それぞれの美点が見えにくくなってしまうのです。能力があるのに愛されないと感じたり、他人から見た自分を過剰に気にしたりするのも、この比較の心が原因であることが少なくありません。私たちは、他人の目を通して自分を評価しようとしますが、真の価値はそこにはありません。

私たちの持つ唯一無二の価値

人間は皆、一人ひとり異なります。それぞれが独自の魅力や能力、そして足りない部分を持っています。大切なのは、自分自身の「器」を知り、他者と比較して優劣をつけようとしないことです。誰もが完璧ではなく、良いところもあれば、不足しているところもあります。たとえば、仕事が早くできる人もいれば、人間関係を築くのが得意な人もいます。
自然界を見れば、若い木々の新緑も、紅葉の華やかさも、雪をかぶった冬景色も、それぞれが唯一無二の美しさを持っています。人間もまた同じで、愛されるために努力するのではなく、自らが「愛する」ことで、内なる美しさが磨かれていくのです。それは、外見を飾るだけでは得られない、内側から溢れ出る輝きです。ご先祖様も、私たちとは異なる時代、異なる環境を生きてこられました。彼らの生きた道を比較するのではなく、その一つ一つの歩みに敬意を払い、私たち自身の道を歩むことこそが、最も尊い供養となるでしょう。先祖供養は、自分自身のルーツを受け入れ、今を生きる力に変えるための大切な行いなのです。

自己を磨き、輝きを放つ

比較を手放し、自分らしく生きるためには、まず自己を受け入れ、自分自身の「心」と「体」を整えることが大切です。そして、誰かに認められるためではなく、純粋に「与える」ことに焦点を当ててみてください。自分の持っているものを惜しみなく分かち合うことで、心が満たされ、真の喜びが生まれます。それは、金銭的なものでなくても構いません。笑顔や知識、手助けなど、できることから与えてみましょう。
この「与える」という行為は、やがてあなた自身の輝きとなり、周囲を明るく照らす光となるでしょう。たとえ自己肯定感が低くても、人と比較せず、ひたすらに相手を照らすような行動を続けることで、必ずや温かい春が訪れます。人との比較ではなく、あなた自身の内なる光を磨くこと。それが、私たちが心から豊かに生きるための道なのです。

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