老いを愉しむ心の秘訣

先日、お参りに来られた方が、ふと「50歳を過ぎてから、どうも体の調子も心持ちも変わってしまって…」と、ぽつりとこぼされました。 人生の後半をどう生きるのか、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は、その不安を希望に変え、豊かに歳を重ねるための心の準備と行動についてお話しいたします。
老いを「新たな始まり」と捉える心の姿勢
人生の50歳という節目は、「初老」と呼ばれ、体力や気力、免疫力の変化を感じ始めるかもしれません。しかし、長寿化が進む現代では、50歳は決して終わりではなく、新たなステージの幕開けと捉えられています。この時期だからこそ、新しい生き方や大切な心がけがあるのです。
30代や40代の頃、周囲の顔色をうかがったり、世間のしがらみに我慢したりしてきた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、50歳になると、家庭や仕事の状況も変わり、自分自身の生活リズムを取り戻せる時が訪れることがあります。
これは、遠慮せずに新しいことを始めたり、自分自身に挑戦してみたりする絶好の機会です。体力や気力を高める運動や新しい趣味に打ち込むのも良いでしょう。何かに挑戦することで気持ちが若返り、生き生きと過ごせるようになるのです。人生は一度きり。50歳を新たなスタート地点と捉え、自分が本当にやりたいことを積極的に始めてみてください。それが、気持ちも体力も気力も継続させていくための大切な覚悟となります。
不安を手放し、今を大切に生きる智慧
私たちは皆、限られた時間の中で生きています。この貴重な時間を、不安や悩みに「考えすぎる」ことで無駄にしていませんか。考えすぎは行動を止め、ネガティブな感情を増幅させてしまいます。
頭で考えても答えが出ない悩みは、一度手放し、行動に移してみるのが良いでしょう。気分転換に外に出てみる、深呼吸をする、好きなものを食べるなど、小さな行動が心を切り替えるきっかけになります。
心と体は「心身一如」。十分な睡眠、自然に触れる時間、信頼できる人との交流は、心を癒す良薬です。人との「ご縁」も大切にしましょう。人に何かを与え、喜んでもらうことで、感謝の気持ちや良いご縁が返ってきます。お金も人との関係を映し出すエネルギー。自分のことばかりではなく、大切な人の喜びや成長のために使うことで、より豊かなご縁が巡ってくるでしょう。常に「ありがとう」という感謝の気持ちを持つことが、日々の暮らしに光を灯し、私たちを支える大きな力となります。
未来を整える「終活」と心の平安
人生の後半を豊かに、そして穏やかに生きる上で、「老い」と「死」、そして「終活」というテーマは避けて通れません。これらのことを漠然とした不安として抱えるのではなく、未来を整える具体的な行動に移すことが、心の平安につながります。「終活」とは、人生の終わりに向けた準備のこと。身の回りの整理やご家族へのメッセージ、そしてご先祖様の供養のあり方を考えることも含まれます。
例えば、「墓じまい」をして、これまでのご先祖様のお墓を整理し、新たな供養の形を求める方が増えています。そのような方々にとって、「永代供養」は大切な選択肢の一つとなるでしょう。当昌楽寺では、永代供養付きの墓地をご用意しており、宗教や宗派、国籍を問わず、どなたでも安心してお参りいただけます。
住職が毎日読経供養を行い、永きにわたりご先祖様をお守りいたします。専門スタッフが管理や清掃を行いますので、遠方の方や後継ぎがいない方も安心してご供養をお任せいただけます。檀家制度はございませんので、従来のしきたりにとらわれず、ライフスタイルに合わせた供養の形を選べます。未来への準備は、今をより充実して生きるための大切な行動。不安を「正しく恐れる」ことを知り、行動を起こすことで、心の穏やかさを得て、より良い未来を創造していきましょう。