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時を刻む「今」に、未来への願いを託す

私たちは日々、時間の流れの中に生きています。しかし、「時」は単に過ぎ去るものではなく、私たち自身が「刻んで」いくものだと、最近強く感じます。このブログでは、限られた「時」をいかに有意義に使い、未来に希望の種を蒔くか、その智慧についてお話ししたいと思います。

過ぎ去る「時」と、積み重なる思い

「光陰矢の如し」という言葉がありますが、私たちの人生において、時間はあっという間に過ぎ去ってしまうように感じるものです。特に現代社会では、スマートフォン一つで何でもできる便利さゆえに、やるべきことが次々と増え、時間に追われるように毎日が過ぎていくのではないでしょうか。私たちは常に忙しく、あれこれと手を広げているうちに、自分自身と深く向き合い、心を落ち着かせて考える「時」を失ってしまいがちです。

しかし、漢字の「時間」が「時」の「間」と書かれるように、時間は私たちに平等に与えられた「時の空間」であり、その空間をどう「刻む」かは、私たち一人ひとりの選択にかかっています。この「時を刻む」という行為が、まさに私たちの人生という「物語」を紡いでいくのです。

人生の節目、特に「初老」と呼ばれる50歳を過ぎた頃からは、体力や気力、免疫力の変化を実感する方も多いでしょう。この時期は、自身の残り時間を意識し、これからの人生をどのように「刻んで」いきたいかを深く考える大切な機会となります。この貴重な「時」を、私たちはどのように使っていくべきなのでしょうか。

「時」を丁寧に刻む仏教的智慧

私たちが「時」をどう使うかが、人生を豊かにする鍵だと説きます。もし私たちが良い「時」を刻んでいれば、周囲の人々もまた良い「時」を過ごすことになりますし、その逆もまた然りです。これは、私たちの「時」の使い方が、周りにも影響を与えながら、互いに良い循環を生み出していくという、深く繋がった真実を示しています。

人生の「下り」に入ると言われる60歳以降も、心身の活力を保ち、人生を充実させるためには、50代からの過ごし方が非常に大切になります。この時期から、新しいことに挑戦したり、体力や気力を高める努力をしたりと、前向きな行動を起こすことで、人生を再びスタートさせることができます。これは、単に若返るというだけでなく、これからの人生を豊かに「刻んで」いくための智慧です。

具体的な実践として、「朝の力」を養うことを勧めます。それは、単に早起きをすることではありません。日中にエネルギーを使い果たし、早く寝ることで、自然と朝早く目が覚めるようになるのです。朝の時間は、一日のうちで最も長く感じられ、生産性が高い「時」です。この朝の時間を有効に使うことで、これまで「時間がない」と思っていたことに取り組むことができるようになり、一日の充実感を大きく変えることができます。

また、過去や未来に囚われず、「今、何をしたいのか」に焦点を当てることも大切です。どんなに小さなことでも良いので、今の自分が「やりたい」と感じることに意識を向け、行動に移すこと。それこそが、ストレスを軽減し、満たされた「時」を刻むことに繋がるでしょう。

「永代供養」に託す、未来への「時」

私たちが「時」を意識し、大切に刻むことは、現在の人生を豊かにするだけでなく、未来へと続く「安心」の基盤を築くことにも繋がります。これは、ご自身やご先祖様の供養のあり方を考える際にも、深く関わってくるテーマです。

「将来、自分のお墓はどうなるのだろうか」「子や孫に、お墓の管理で負担をかけたくない」といった心配は、多くの方が抱える「時」に関する不安ではないでしょうか。従来の家族墓は、後継者の有無や、遠方にあることによる管理の手間など、未来への不安要素となりかねません。これらの懸念は、ご自身の死後も、大切なご先祖様が丁寧に供養され続けるかという、未来への「時」に対する深い願いから生まれるものです。

「永代供養」は、このような未来への不安を解消し、ご家族が「安心」して「時」を過ごせるようにする、現代に即した供養の形です。当寺の永代供養では、檀家制度を設けず、宗派や国籍を問わず故人様をお預かりし、住職が毎日欠かさず読経供養を行います。専門のスタッフが永きにわたり管理・清掃を承りますので、ご家族は物理的な負担から解放され、それぞれの「時」を穏やかに生きながら、故人様との心の繋がりを大切にすることができます。

この選択は、ご先祖様への変わらぬ敬意を形にしながら、次世代に「時間」という贈り物を残すことでもあります。ご自身が「今」を大切に生き、未来の「時」を「安心」で満たすこと。それが、ご家族全体の心の平穏と、世代を超えた「縁」の繋がりを育むことに繋がるでしょう。永代供養という形で、あなたの大切な願いを未来の「時」へと託してみてはいかがでしょうか。

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