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2025年を振り返る:移りゆく季節に心を寄せて

今年もまた、慌ただしい一年が終わりを告げようとしています。先日、境内の紅葉が鮮やかに色づき、やがて葉を落としていく姿を眺めておりました。この移ろいゆく自然の営みは、まさに私たちの人生、そして過ぎ去る一年そのものを映し出しているようだと感じます。この時期、皆様の中にも、今年一年の出来事を静かに振り返り、「このままで良いのだろうか」という問いを抱えていらっしゃる方がいるかもしれませんね。

諸行無常の風に吹かれて

私たちは皆、日々さまざまな出来事と出会い、そして別れを経験します。嬉しいことも、悲しいことも、うまくいったことも、思い通りにならなかったことも、すべてがこの一年の間に起こりました。仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という教えがあります。これは、この世のすべてのものは常に変化し、同じ状態にとどまることはないという真理です。桜が咲き誇り、やがて散っていくように、夏の暑さが過ぎ、秋の涼しさが訪れるように、私たちの一年、私たちの人生もまた、絶えず移り変わっていくものです。
今年一年を振り返ると、予期せぬ出来事や、心揺さぶられる瞬間があったのではないでしょうか。それはまるで、穏やかな川の流れの中に、時折現れる急な渦のようです。大切なものを失う悲しみや、積み重ねてきた努力が報われないと感じる苦しみも、この無常の世では避けられないことかもしれません。しかし、その変化を受け入れ、手放していくことが、心穏やかに生きるための第一歩となるのです。例えば、かつての先祖代々の墓を守ることに難しさを感じ、墓じまいを検討される方もいらっしゃるでしょう。それもまた、時代の流れと共に、新たな供養の形へと心を移す、無常を受け入れるひとつの姿と言えるでしょう。

心の整理と感謝の時

一年を終えるこの時期は、心の中の引き出しを整理する良い機会です。過去の出来事や感情に囚われすぎず、必要のない重荷は手放していく勇気を持つことが大切です。まるで、不要になったものを手放し、本当に大切なものだけを残していく断捨離のように、心の中もまた、定期的な整理が必要です。今年の苦しみや後悔も、来年へと持ち越す必要はありません。それは、私たちに大切な学びを与え、成長を促すための出来事だったと捉え直すこともできるはずです。
そして、この一年、私たちを支えてくれたすべての人々、すべての存在に感謝の気持ちを向けてみましょう。家族や友人、職場の仲間、そしてご先祖様。私たちが一人で生きているわけではないことを思い出すとき、心には温かい光が灯ります。この感謝の気持ちこそが、私たちの心を豊かにし、未来への希望を育む土台となるのです。

新たな供養の形に心を寄せる

ご先祖様への感謝の気持ちは、形を変えても変わることはありません。現代社会では、家族のあり方やライフスタイルの変化により、従来の供養の形を維持することが難しくなっているというお声をよく耳にします。そのような中で、永代供養という選択肢が注目されています。永代供養は、お寺が責任を持って永続的にご供養を行うため、後継ぎがいなくても、遠方に住んでいても、安心してご先祖様を供養できる新しい方法です。

来たる年を穏やかな気持ちで迎えるために、心の中の整理と共に、ご先祖様との絆を見つめ直す時間を設けてみてはいかがでしょうか。永代供養を通じて、ご先祖様への感謝の心を未来へとつなぎ、ご自身の心にも安らぎを見出すことができるでしょう。変化を恐れず、今を大切に生きることが、より良い未来を創り出すための道となるのです。

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