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感謝の心、日々の暮らしに

私たちの周りには、日々様々な出来事が起こります。その中には、私たちを喜ばせることもあれば、怒りや不安、悲しみといったネガティブな感情を抱かせることも少なくありません。特に、身近な人間関係において、感謝や思いやりが見られないと感じた時、私たちはどうすれば心の平穏を保ち、日々を穏やかに過ごせるのでしょうか。

見方を変えれば世界が変わる

私たちは、他者の失敗や、期待外れの行動に直面すると、ついイライラしたり、怒りを感じたりすることがあります。なぜ自分ばかりがこんな目に遭うのか、なぜ相手は理解してくれないのか、と不満を募らせてしまうことも。しかし、こうした感情に囚われてしまうと、私たちの心はどんどん苦しくなってしまいます。
例えば、後輩の失敗が原因で自分が叱られたり、夫の行動が自分の価値観と合わないと感じた時、私たちは「他人事なのに、なぜ私がこんな思いをしなければならないのか」と考えがちです。しかし、仏教の教えは、この「他人事」の中にこそ、私たち自身の心の状態が映し出されていると説きます。
私たちは誰もが完璧ではありません。時には無意識のうちに、あるいは意図せずとも、他者に迷惑をかけたり、期待を裏切ったりすることがあります。相手の「足りない部分」や「間違った行動」ばかりに焦点を当ててしまうと、私たちは常に不満を抱え、人間関係はギスギスしたものになってしまうでしょう。

不完全さを受け入れる智慧

人間関係において、時に私たちは「遊び」の部分が必要です。車を運転する際、ハンドルにはわずかな「遊び」が設けられています。これは、路面の微妙な変化に対応し、急な操作で大事故に繋がることを防ぐためです。人間関係も同じで、相手の不完全さや思い通りにならない部分を許容する「遊び」がなければ、私たちは些細なことで衝突し、心が疲弊してしまいます。
身近な人たちの「足りないところ」や「苦手なところ」に直面した時、その背景にある「事情」や「傾向」を理解しようと努めてみてください。例えば、感謝の言葉が少ない人や、思いやりに欠ける行動をとる人がいたとして、それを「性格が悪い」と決めつけるのではなく、その人自身が持つ特性や、過去の経験からくるものだと考えてみるのです。
私の夫も、時に発達障害的な要素があるかもしれない、と考えてみることが、私自身の心を楽にする処方箋になる、と話す方がいました。これは、相手の欠点を責めるのではなく、その不完全さを受け入れ、理解しようとする姿勢です。そうすることで、私たち自身の心が救われ、関係性もより穏やかなものへと変わっていくでしょう。

日々の感謝が心を育む

感謝の心は、何かが「うまくいく時」だけではなく、困難な状況や、思い通りにならない「今」の中にこそ見出すべきものです。例えば、子育てや介護など、日々の繰り返しの中で疲れや不安を感じることがあっても、その中に「小さな喜び」や「成長の瞬間」を見つけ出す努力をしてみてください。
離婚という大きな困難を乗り越え、シングルマザーとして奮闘する女性がいました。彼女は、日々の忙しさの中で疲れを感じながらも、子どもたちの存在に支えられ、小さな励ましを糧に毎日を頑張っていました。たとえ、子供が発達に課題を抱えていても、その子の「良いところ」に目を向け、日々の成長を喜びとして受け止める。そうした実践が、彼女の心を強くし、家族全体の幸せに繋がっていったのです。
感謝は、心を豊かにする最高の栄養です。日々の当たり前の中に感謝を見つけ、相手の不完全さをも受け入れる広い心を持つこと。そうした心の在り方が、私たち自身の人生をより穏やかで、満ち足りたものへと変えてくれるでしょう。どんな状況であっても、心に感謝の灯火を灯し続けること。それが、私たち自身の心を育み、周りの人々との関係をも良い方向へと導いてくれるはずです。

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